お題「ネット上で恋をした」
こんにちわ。
ブログ百科ララの杏花です。
寒さも本格的になりいよいよ冬到来のこのごろ。
1年の終り12月はなんとなくあわただしいものですが、それに逆らって今回は「恋」の話を書いてみました。
はてなブログのお題の中から「ネット上で恋をした」というのを見つけた時、私は自身の体験を思い浮かべました。
あれは恋というものだったかしら?
私が今年の春から数ヶ月ライターの仕事をした時のことです。
書くことが好きな私はここ1、2年、某クラウドソーシングに籍をおいて初心者の自分でも出来そうなもの、興味ある案件に応募していました。
そこで手がけたのは本の紹介、季節の行事、エンタメ系、体験記などでしたがその後、シナリオライター募集というのに目が留まりました。
具体的には「感動する話」を書いて下さいというものです。
文章を書くのが好きな人、特に小説を書いた経験がある人歓迎!
この募集要項を見た私は「ああ、こんな仕事もあったんだ・・・」と早速応募。
そして採用になったのですが、依頼された資料を見て当惑しました。
私がやるべきことは、クライアント(発注者)から届いたプロット(物語の簡単な起承転結)を基にそれを6、7千文字に膨らませて物語を完成することです。
困ったのは、主人公や登場人物のキャラクターは多少書かれていても、その他の職業や住んでいる場所など具体的なことはほぼこちらで肉付けしていかなければなりません。
しかも出来るだけ自然な形で表現し、聞く人を感動させなければならないというから大変です。
「感動する話」と言うのは、Youtubeで1度だけ聞いて良いお話だなーと思ったことがあります。
でもそれを実際に書くとなると・・・。
「ワァー無理、無理だぁー」と頭を抱えてしまった私は、思い切ってやぶれかぶれでやるか、それともきっぱり断るか?と悩みました。
いくら書くことが好きで小説を書いたことがあるといっても、感動する話なんて右から左に書けるるものではない。
この辺、相変わらず思慮が足りないな・・・。
私は自分の無鉄砲さを思いながら、クライアントに「申し訳ないが、自分はやっていけそうにない」と伝えました。
すると即、次のような返事がありました。
「私もまだこの仕事は途上の人間で、四苦八苦しながらやっているところです。良かったら、一緒に勉強していきませんか?」
私はそれを見てホウッと息をつきました。
「なんて優しい、良い人なんだろう!」
私は甘い人間かもしれませんが、その方の言葉が嬉しくて身に沁みました。
このライターの仕事をしていると、いろいろなクライアントさんとの出会いがありますが、少し前にとてもきつい思いをしたことがあったのです。
依頼の仕事は「季節の行事の紹介」でクライアントは女性です。
最初の1記事目は桜の名所の紹介記事で「とてもいいですね」と言われたが、
その後、2記事目だったか「記事になっていない!」と言われ、
「わからないことは何でも聞いて下さい」と初めにあったので、今後の為にもどこをどんなふうに改善すればよいのか質問したところ、具体的な答えはなし。
また、決めたスケジュールが遅れがちだったり・・・。
でも多少の事はと思いながらやっていた。
依頼された記事は、よく調べれば書けるものなのでなんとかやっていける感じだったから、3記事目のころ依頼を受けて「何とかやってみます」というメールを送ったところこんな返事が来た。
「何とかやってみます」ではなくて「しっかりとやります」ではないですか?
「あなたが自分で選んだ仕事なのです!」
これには「目が点」になりました!!
「何とかやります」というのは言葉のあやで「一生懸命やります」という気持ちも含まれているのですが・・・。
この方はそうは取らなかったんですね。
その後は、言葉に気をつけて黙々と送られてきたお題をこなしました。
そして5記事を書き終えた時、また継続をと言われたが丁重にお断りした。
ネット上だから、多少の行き違いはあっても仕方ないがもう結構でーす!
そんなことがあって、私はこのシナリオの仕事で出会ったクライアントさんの温かい言葉に痛く感激したのでした。
そして四苦八苦して1記事目を書き上げたところ「直しはほぼ無しで大丈夫ですよ。全体的に良く書かれています。」と言われその後、2記事、3記事と継続していきました。
春ごろからスタートして数ヶ月20記事近く書きましたが、この方は非常に対応が柔らかく親切で、ここはこうしたら更によくなるのではないかなどアドバイスをくれ安心してやっていくことが出来ました。
そして立ち上げて間もないYoutubeのチャンネルで私の書いたお話の視聴率がぐんぐん上がってきたことをきかされ、一緒に喜び、一層書くことに専念していったのでした。
そのうち夜、夢うつつの状態でシナリオを考えたりしながら、ふと「あの方は今ごろどうしているかしら?」などと思うようになったのです。
昔から気持ちの優しい人に惹かれましたが、親切でまた感性も近く共に喜び合える人に出会えたことが嬉しくて特別な思いが浮かんでくる・・・。
でもこのクライアントさんがどういった人なのかは、会ったこともなくネット上だけの付き合いなのですから本当のところはわかりません。
親切も優しさも仕事上の事、特別な意味はないと思いながらも自分の良いように考えてしまう。
「恋とは錯覚である」という言葉もありますが、妄想の翼は限りなく大空へと羽ばたいてゆく。
「不遇な生い立ちの主人公が苦労の末についに幸せをつかむ」という筋書きのプロットを毎回送って来るクライアントさん、彼の人生もまた幸薄い人生なのだろうか?などと想像しては心配したりする始末。
でも、彼は関西、私は関東。
顔も知らず名も知らず。
こんなことを思うのはやはり恋のため?
でも恋って何だろう?
なぜ人は恋するのでしょう?
「恋は不思議なもの」
とはよく言われる言葉です。
そのほか思いついたままに書いてみると、
恋とは愛と似て非なるもの
恋しても愛さない
恋はあこがれ
恋はカタルシス
恋はエゴイスト
恋はおおぞらを飛ぶ小鳥
恋は短編ストーリーetc
やはり恋とは考えてもわからないものですね。
ただ不思議な感覚を呼び覚ますものである、ということは感じます。
そして私のネット上の恋は「短くも美しく燃えて」これ、確か洋画のタイトルだったと思いますが、やがて静かに幕を下ろしたのでした。
というのは私はずっと前から頚椎症で、パソコンに長時間向かうのがとてもきつい。
それが夜もまともに眠らずシナリオやクライアントさんの事に想いを馳せているような生活を続けるのはいかがなものか?
恋の為か、少し無理をしてきた私でした。
そんな訳で秋風の吹くころ、私はクライアントさんに告げたのでした。
「体調が思わしくないのでしばらく休みたいです。初心者の自分をよく励ましアドバイスをしてくれて本当にありがとうございました」と。
すると彼は言いました。
「こちらこそありがとうございます。ゆっくりお休みください。もしまた仕事が出来るようでしたら一緒に仕事したいと思います」
余計なことはいわず、涼やかな返事でした。
きっと休んだあと、もう戻ってこないのではと思っていても、いつも通りの穏やかさで彼は言ったのでした。
他のライターさんにも親切で丁寧な方だとの評判のようでしたから、元から誰に対してもマナーの良い方だったのでしょうね。
でも「ネット上の恋」いい思い出です。
勝手にキラキラして幸せな気持ちになって・・・。
だから片思いでもいい。
片思いが美しい。
現実の恋愛は大変です。
綺麗ごとではない、時に修羅場があったり虚しい終焉が待っていたりする。
だから悪戯に恋はすまじ。
でも、
「恋は不思議ね
消えたはずの
灰の中から
何故に燃えるーーー
ときめく心
切ない胸
別れを告げた
二人なのにーーー
恋なんて
虚しいものね
恋なんてーーー
なんになるの
恋なんて
恋なんて」
タンゴのリズムの乗せて、こんな唄を口ずさみつつ終了します。
もうすぐ幕を閉じる2022年、また来る新しい年2023年が良い年でありますように。
時々訪れて下さる皆様、ありがとうございます!
素敵な恋を!!