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幸せな人生を送るために書くブログ集

【猛暑の夏、本に親しむ】

連日、あい変わらずの猛暑。

 

先日のブログにも書きましたが、海外の人々をも魅了する

美しい日本の四季、それは今や過去のものとなってしまったのでしょうか?

 

出典フォトAC

 

春は花 夏ほととぎす 秋は月

冬雪さえてすずしかりけり

 

道元禅師が夜空を眺めて、日本の四季を詠った

といわれる詩をふと思い浮かべます。

 

日本における大宗教家、曹洞宗の開祖である道元

「禅の言葉」の中で、四季は宇宙がくれた最高の贈り物

と言っています。

 

 

確かにかつては、日本の四季は折々に風情があって、ただ眺めているだけで幸せな

気持ちになりました。

 

でも近年では春も秋もつかの間で、猛烈に暑い夏が長逗留し

風情どころか恐怖、危険の域に入っているのが現状です。

 

海外から訪れた観光客が「日本って随分暑いんですね!」

と、たまげている姿をテレビで見るにつけ気の毒に思います。

 

「住んでいるこっちだって、どこか涼しい場所へ避難したいわ!」

という気持ちなんです。

 

でも涼しいイメージの北海道もいまや結構暑いらしい。

そして海外でもあちこちで見られる異常気象。

 

結局は現実を受け入れて、少しでも快適に過ごせる方法を考える

しかないという結論に落ち着きます。

 

猛暑でも身近に楽しめることは何だろう?

私の場合、思い当たるのは読書。

 

敢えて出かけていくこともなく、今いる自分の場所で

手軽に愉しめるものです。

 

そこで本棚にある一冊の本を手に取って、パラパラめくってみる。

 

「考える人」特集・海外の長編小説ベスト100

( 季刊誌 2008年 春号・新潮社)

 

 

この本は私にとって、とても大切なものです。

忘れたころにふと手にとっては眺めています。

 

内容はタイトルどおり「海外の長編小説」に関してが主ですが

その他の記事も充実しており読み応えがあります。

 

「考える人」はまだ出版されているのだろうか?

少し前本屋さんで聞いてみると、現在休刊中とのこと・・・

 

さて、今回この本を取り上げたのは、本を求めて書店や図書館に行っても

読みたい本がなかなか見つからない、という現実からでした。

 

いえ、正確に言うと、たまには本を購入したり、借りたりして読んではいます。

でも、何か慊らない(あきたらない)。

 

この慊らない、満足できないという言葉は、芥川賞作家、西村賢太の小説に

よく見られるものです。

 

この難しい漢字使いが気に入ってか、私は彼の作品をよく読むようになりました。

 

芥川賞を受賞した「苦役列車」から始まって「どうで死ぬ身のひと踊り」

「暗渠の宿」、そして亡くなる寸前まで書いたという未完の作品「雨滴は続く」

と、いろいろ読みました。

 

苦役列車》 西村賢太 新潮社

 

彼の作品は好き嫌いが分かれるかと思いますが

私はあの方の全体からにじみ出てくる切実さが好きです。

それに文章もユーモアがあり風格があります。

 

そして自ら、没後弟子と名乗る師、大正期の私小説作家・藤澤清造への一途な想い。

寄る辺ない身の上の彼が、唯一捧げる師への尊敬と律義さには涙ぐましい

ものを感じます。

 

そんな彼はまだ50代の若さで急に旅立ってしましました。

もうあの慊らない、結句などの独特な文章にお目にかかることができない

と思うと、とても残念です。

 

でも、今はきっとあの世で、師と仰ぐ藤澤清造と共に

好きなお酒を酌み交わしているにちがいない、と思います。

 

 

さて、次に非常に面白く読んだのが「漂砂のうたう」です。

 

木内昇(きうちのぼり)集英社文庫 第144回直木賞受賞

 

 

明治維新から10年、根津遊郭を舞台に新時代に取り残された

人々の挫折と屈託、夢を描く。

 

この方の文章は非常に味わい深く、読む手が止まらず。

 

ブックオフにあった「ある男」、「茗荷谷の猫」など次々と面白く読みました。

 

この木内昇という素晴らしい作家さんを紹介して下さった、はてなブログのライターさんに感謝です!

 

慊らないとは言いながら、魅力的な作品はどこかにあるはず、

いつか不意に出会うのを楽しみにしたいと思います。

 

 

とりあえず今は、若い日に夢中で読んだ海外小説を、もう一度最初から読み直してみようか。

昔読んだ時と今では受け止め方にも何か違いがあるだろうか?

など思いながら、この赤いぶ厚い本「考える人」をめくっています。

 

この中には海外の長編小説ベスト100、と称して作家、批評家、翻訳家、エッセイスト、哲学者など多岐にわたる人からのアンケートにより選び出された、千年前の物語から21世紀の最新作までが掲載されています。

 

すべてを記すことは控えますがベスト15をご紹介します。

1 百年の孤独 ガルシア=マルケス

2 失われた時を求めて プルースト

3 カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー

4 ドン・キホーテ セルバンテス

5 城 カフカ

6 罪と罰 ドストエフスキー

7 白鯨  ハーマン・メルヴィル

8 アンナ・カレーニナ トルストイ

9 審判 カフカ

10 悪霊 ドストエフスキー

11 嵐が丘 エミリー・ブロンテ

12 戦争と平和 トルストイ

13   ロリータ ウラジミール・ナボコフ

14  ユリシーズ ジェイムズ・ジョイス

15  赤と黒 スタンダール 

 

こういった順位ですが、それぞれに読者が一人代表して感想と批評を述べています。

 

私がこの中で好んで読んだ作家はドストエフスキーカフカトルストイエミリーブロンテ、などの作品です。

 

作品のみで印象に深くのこっているのは、白鯨、ロリータ、赤と黒

 

これを書いていて改めて知ったのですが、世界三大悲劇は「嵐が丘

のほかには「リア王」、「白鯨」だったんですね。

 

そして、白鯨は捕鯨船エセックス号沈没事件を基に書かれた実話だったとは!

 

ところでもう一つ、堂々1位に輝く《百年の孤独》ですが・・・

 

この作品は確かに読みました。

でも途中で挫折、放りだしてしまいました。

 

読み進めていくと、今までの主人公は、いつの間にかいなくなり

別な主人公が現れ話が始まる。

そうしたことが営々と繰り返され、何がどうしたのかちんぷんかんぷん・・・

 

一人の主人公をずっと追って、その苦悩や喜びを一心同体となって味わいたい私には

とても馴染めるものではありませんでした。

 

その後、何年も経ってから知人と食事をしに行った時のことです。

 

100年の孤独というお酒がメニューにあり、ガルシア・マルケスの小説のことが話題に上がって、飲んでみようということになりました。

値段は1杯3000円!

 

これは後で知ったのですが、「百年の孤独」は宮崎県の人気蔵元である黒木本店が清造するプレミアム焼酎で幻の焼酎と言われているとのこと。

オーク樽で長時間ねかせた、力強く複雑な味わいとあります。

 

アルコール度数・40度 

¥3674   

手に入りにくく定価の1.5倍からそれ以上の場合もあるらしい。

 

 

 

はてなブログの中で私が購読している方が、ガルシア・マルケスの「100年の孤独」

を購入されて、読むのを楽しみにしている、と記事にされていました。

 

もし良かったら感想など聞かせていただければ嬉しいです。

今もう一度心して読んだなら、昔とはまた異なる景色が見えてくるだろうか?

などと考えています。

 

というわけで、この夏の暑さを乗り切るためには、本を読もうと思います。

 

良かったというものがありましたらまたご紹介させていただきます。

 

皆様も、面白そうな本がありましたら是非ご紹介下さいね!

 

では、この先も十分お体に気を付けてお過ごしください。

 

出典:photoAC