ブログ百科ララ♫

幸せな人生を送るために書くブログ集

【猛暑+ゲリラ雷雨の夏】

連日35度を超える猛暑に加え、私の住む地では、ここ数日ゲリラ雷雨

のおまけ付きとなっています。

 

出典:photoAC

 

初めてゲリラ雷雨第一弾に見舞われた時は

夕方以降、ほぼ日が落ちてからだった。

 

雷がやけにうるさく、ゴロゴロ鳴っていると思ったら

鋭い稲光と共に屋根を叩きつける激しい雨音。

 

夕飯の支度をしながら、いつまでも鳴りやまないゲリラ雷雨

に閉口したのがつい最近だった。

 

この時、私の住まいからそう遠くない足立区の花火大会が中止となり

花火見学に訪れた40万人の人々を混乱に陥れたと後で知った。

 

そんなことがあったのか・・・と人ごとのように聞いていたが

ゲリラ雷雨は次の日も続き、今までに合計3度はあっただろうか。

 

そんな訳で、外出は最小限に控えていた。

 

そして昨日のこと、しばらく行っていなかった近くのスパへ

行った。

 

私の過去から現在に至るまでの趣味といったらいいか、好きなものの一つが

サウナに入ることだった。

 

広々した浴槽につかり、サウナで汗を流した後の爽快感、開放感

これは、何物にも代えがたい!

 

今でも体調が悪い時、どうしても気持ちが上向かない時などは

思い切ってサウナに行く。

そして別人のように蘇る。

 

「天然温泉○○スパ」は自転車で10分ちょっと行った所にあった。

 

 

 

 

建物の中へ入ると炭酸泉のお風呂(血流アップ、美肌、長寿)と露天風呂

そしてサウナがあり、平日は特にゆったりと入ることができる。

 

11時に家を出て、帰りは1時半ごろを想定していた。

 

ここしばらくは猛暑のせいか、いつもより中は空いていた。

 

先ずは炭酸泉につかり、ジャグジー、露天風呂、そしてサウナの

順に一通り入って、のんびり過ごしていた時だった。

 

再び露天風呂に入ろうとすると、なんだか辺りの様子がおかしい。

 

空の色が見る間に暗く陰ったかとおもうと、冷たい風が吹きつけてきたのだった。

 

そのうち露天風呂の周りに立つ植物が、ゆさゆさ揺れだした。

 

「これは・・・」と思う間もなくゴロゴロという音とともに閃光が走った!

 

そしてほどなく豪雨となり、休憩用に並んだ白い椅子が音を立ててひっくり返る。

 

私は他の人に交じってなす術もなく炭酸泉に身体を沈めながら

荒れ狂う戸外を眺めていた。

 

突然のゲリラ雷雨は、いつ終わるとも知れず続く。

 

洗い場に行って髪を洗ったり、浴室を出て鏡台に向かってみたりするが

一向に止む様子がない。

 

再び炭酸水に入った私は、心細くなって一人の女性に声をかけた。

彼女は先ほどから半身浴をしたままそこにいた。

 

「すごいことになりましたね?」

「そうですね・・・」

「これじゃあ、いつ帰れるのか・・・お家は近くなんですか?」

 

私は自分もだが、かなり年配と思われる女性が帰りはどうするのだろう

と気になって聞いてみた。

 

「ええ、15分ぐらい。タクシーで来ました」

「ああ、そうですか。じゃあ大丈夫ですね」

 

と私は返しながら、タクシーだってこんな嵐じゃあ走るかどうか・・・と思った。

だが、女性はゆったりしたものである。

 

「でも、タクシーは1000円はかかるけどね」

と言って笑った。

 

そして少し話しているうち「この間はS市では、竜巻が起きたわね」

と女性は続けた。

「ああ、そうでしたね・・・竜巻、怖いですね」

私は頷いた。

 

外国での竜巻被害はよく聞くが、最近では日本でも起きている。

多くは北関東、そして近くのS市でも。

 

今にも竜巻にまかれて、このスパもろとも吹き飛ばされたらどうしょう?

しかも裸で。

私は吹き荒れる戸外を眺めながら、思わず呟いた。

 

「どうしましょう。帰れるかしら・・・」

 

すると女性は、泰然自若として私に微笑んだ。

「大丈夫ですよ」

 

その一言は、私に力強く響いた。

 

なんて頼もしい方だろう!

80代だろうか、と思われる女性を最初は気使ったつもりが

逆に自分が元気付けられてしまった。

 

「では、お気をつけて」

私は会釈して湯船から出た。

 

スパにいた時間は予定より長くはなったが、やがてゲリラ雷雨は止んだ。

 

外に出ると、肌は冷たく涼しい外気に包まれて心地良かった。

ひまわりがあの強風に倒れもせずしっかりと立っていた。

 

 

(あの方もしっかりした、素敵な人だったな・・・)

 

私はいま一度、泰然自若とした女性の顔を思い浮かべた。

そして、まだ薄曇りの空の下、自転車を走らせた。

 

 

 

 

追記

後でテレビで知ったが、私が住む町の駅近くの路上に

飲食店の大きな看板が、突風で吹き飛ばされ

通行人が救急搬送されたとあった。

 

そして周辺の町、及びその近隣各地では屋根が飛んだり、大木が倒れたりと

被害は甚大だったという。

 

竜巻が起こったとのことだった。