大相撲秋場所は昨日、早くも12日目を迎えました。
大の里(関脇)が全勝で12日目を迎えた日、相手は幕内に返り咲いた若隆景(東前頭7枚目)。
私はテレビをじっと見つめました。
恵まれた身体と持ち前のパワーで、今日まで危なげなく相手を倒してきた大の里。
かたや、勝ち越しを決めてまずまずの若隆景。
私は若隆景が足のけがで関脇から幕下に落ちて、再び復帰した今日まで
ずっと見守ってきました。
一度は優勝経験のある若隆景、しかしこの巨大な壁大の里を前に彼は
どう対処していくのか?
私は息をつめて画面を見守りました。
行事の軍配が翻った瞬間、大の里は若隆景の上体を起こして一気に土俵際まで追い混んでいく、予想通りの展開です。
土俵際に追い詰められた若隆景。
(ああ、いつものパターンか・・・)
そう思った時でした。
脇の甘かった大の里は若隆景にもろ差しで入られ、逆に攻め込まれる。
大の里は必死で反撃、土俵際で若隆景を突き落とそうとするが
若隆景は驚異的な粘り腰で最後は身体を入れ替えながら大の里を寄り切る。
(若隆景は土俵を割る寸前、崖っぷちで身体をくるりと入れ替えた瞬間
大の里の身体を土俵の外に押し出していたのです!)
NHK NEWSより引用
若隆景が勝った!
大の里に土がついた!
館内が大きくどよめきました。
私は声もなく呆然として画面を見つめていました。
それにしても凄い、力の入った凄い相撲でした。
若隆景の足は大丈夫だろうか?
一瞬、不安が過ぎりましたが・・・2本の足でしっかりと立っていたので
少し安堵。
それにしても「若隆景は彼らしい相撲をとったな~」と、私は次の取り組みが
始まってもしばらく余韻に浸っていました。
考えてみれば関脇、大関に昇進しても安定せず、次々と下に落ちていく力士が
多い最近の相撲界。
今場所はただ一人の横綱、照ノ富士が休場する中、大関の貴景勝も途中休場。
大の里がただ一人突出した強さを見せていますが、丁々発止とやりあう相撲が
見たい、というのが多くの観客の本音ではないでしょうか。
それが今日の若隆景、大の里の一戦でスカッと気持が晴れたのでした。
12日の取り組みを終えた結果は
1敗)大の里
2敗)霧島・高安
3敗)若隆景・錦木
さあ、秋場所の優勝者は果たして誰の手に?
千秋楽まで、今日を入れてあと3日。
優勝杯が誰の手に渡っても、大の里と若隆景の気合の入った渾身の一番
見ごたえがありました。
やっぱり相撲は捨てがたい。
力士の皆さん、期待しています。
頑張ってください!